プロバイオティクス ビフィズス菌LKM512菌って?

プロバイオティクスって何?

最近よく乳製品のパッケージなどで見かけるようになったプロバイオティクスという言葉。

プロバイオティクスとは、食べてヒトに有益な作用をもたらす生きた微生物のことを言います。

善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、腸内環境を整え、病気になりにくい体を作るという現代の最先端を行く予防医学です。

乳酸菌やビフィズス菌はプロバイオティクスの代表選手を務めています。

LKM512はどんな菌?

LKM512

1997年に発酵乳から発見されたビフィズス菌の一種です。

数あるプロバイオティクスのなかでも、LKM512は胃酸でダメージを受けずに腸まで到達する能力が高く、さらに大腸で増殖するという特徴があります。

便秘が改善されたり、アトピーのかゆみがひいたり、とさまざまな効果が確認され、国際的な科学雑誌にその研究成果が発表されています。

大腸は病気の発信源って本当?

大腸のなかには、糞便1グラムあたり数百種以上、1兆個近くの細菌が棲んでいます。これらがバランスを取って集団を作っているのが腸内菌叢(ちょうないきんそう)です。

有害な悪玉菌が増えてくると、発ガン物質や毒素が出現! 直接大腸に障害を与え、免疫力まで低下させます。 有害物質は腸から吸収されて血液中に移り、内臓に障害を与え、やがてガン、認知症、自己免疫疾患などさまざまな病気の原因になると考えられています。

プロバイオティクスを採って悪玉菌を減らし善玉菌を増やすことが健康にとってどれだけ重要かおわかりいただけたでしょうか。

たくさんあるプロバイオティクスのなかでもLKM512がすごい理由は?

LKM512が口から肛門へいくまで

スーパーやコンビニ、健康食品専門店などで、よく見かけるようになったプロバイオティクス商品。でも実は、どの菌でも必ず腸内環境改善効果があるわけではない、という事実はあまり知られていません。科学的に証明された菌株以外のほとんどの乳酸菌やビフィズス菌は食べたあと、胃液や胆汁の強い殺菌力に負けて死滅してしまいます。

しかし、LKM512はケタ違いの高い生存率を誇り、腸へ到達。大腸では元気に増えることがわかっています。

また、元気なLKM512はお腹のなかで体によい“ポリアミン”を作ります。このように善玉物質を作ることが詳細に研究されているのはLKM512だけです。

“お腹を若返らせる”ってどういうこと?

「お腹を若返らせる」とは「腸の細胞を元気にする」ことです。言い換えれば、病気の発信源である大腸を甦らせるということです。

LKM512は大腸まで達したあと、大腸でポリアミンを作ります。

ポリアミンとは細胞が新しく生まれ変わるのを助け、腸を元気にしてくれる物質。このポリアミンを作る能力は年を取るにつれ、減少します。

腸内のポリアミンを増やすことで、お腹(腸)の老化を防ぐことが最新の研究によって明らかになりました。わたしたちは体全体の老化も防止できるかもしれないと期待しています。

お腹を若返らせる重要な手助けをする、これがLKM512なのです。

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もう少しポリアミンのことを詳しく教えて!

ポリアミンをひと言であらわすなら「細胞を元気にする物質」です。ポリアミンは、細胞の成長や分裂をはじめ、細胞が酵素を作るときなどにも活躍します。その他にも多岐にわたって機能があり、生物が生きていく上で欠かせない物質です。

腸とポリアミンの関係の一例を紹介しましょう。

赤ちゃんが生まれてすぐの飲む母乳、特に産後すぐ出る初乳にはポリアミンがたくさん含まれています。それはなぜでしょうか? 赤ちゃんの腸は未熟なため、腸の細胞に働きかけ粘液などの分泌を促し、バリア機能を高めるためだと考えられています。

また、ポリアミンはDNAを安定化させることもとても得意です。悪玉菌などが生み出す有害物質の影響で腸の細菌のDNAがおかしくなっても修正してくれます。大腸ガンの予防にもきわめて重要な物質です。

大腸でのポリアミンはそのほとんどが腸内細菌によって作られています。腸内菌叢をコントロールしてポリアミン濃度を一定レベルに保つことは、とても有効な健康増進法なのです。

LKM512入りのヨーグルトを食べて、大人のアトピー性皮膚炎が軽減したり、高齢者の炎症が抑えられたりしたのは、ポリアミンの機能を考えれば簡単に説明がつくことなのです。

もっとポリアミンについて学術的に知りたい方はこちらへ。

>>ポリアミンについて

LKM512とポリアミンの研究が、生研センターの研究推進事業の課題に
採択されたって聞きましたが、どういうことですか?

正式には、農水省の外郭団体である(独)農業・食品産業技術総合研究機構の生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)の「イノベーション創出基礎的研究推進事業」の平成21年度(3年間)課題に採択されたのです。長いので、略して生研センターの研究推進事業と言われています。
簡単に言いますと、競争的研究資金の一つです。国(政府)が広く研究開発課題を公募し、提案された課題の中から、科学的・技術的な観点を中心に審査し、研究者等に配分するお金(制度)です。
要するに、国が「この研究は面白そうだ。将来日本のために役に立つ」と判断した提案に対し資金を出して、その研究を委託するシステムです。それに提案した課題が採択されたのです。

採択されるって、すごいことなの?

たくさんの競争的研究資金の中でも生研センターのものは、農水省系で1課題あたりの支給額が最大規模(私が採択されたものは、最大で年間6千万円で3年間)であり、大学教授を中心にたくさんの研究者が応募するため、非常に倍率が高いのです。また、得られる研究成果は、将来、広く国民生活に貢献する可能性が高いものでなくてはなりません。そのため、独自の利益を追求する企業発の研究テーマは採用されにくいのです。これまで、採択される課題のほとんどは大学などの公の研究機関発のもので、企業発(代表者が企業の研究者)の課題が採択されることは滅多にありませんでした。今回は、健康寿命の伸長という、超高齢化社会を向える我が国の社会状況とマッチした研究であったことも重要であったと考えています。

生研センターの研究推進事業で行なう研究を教えて下さい。

「健康寿命伸長のための腸内ポリアミン濃度コントロール食品の開発」という課題名での研究です。
健康寿命とは、寝たきりなどにならず元気に過ごせる期間のことです。アルツハイマーや2型糖尿病等の多くの老年病は健康寿命の大敵です。これらの病気の原因は長期的に体内で起こっている炎症、つまり慢性炎症であることが最近の研究でわかってきました。ポリアミンは、上の質問でも答えたように、LKM512を食べると腸管内で増える善玉物質で、炎症抑制作用腸管バリア機能の増進など様々な機能があることが、これまでの研究で明らかになっています。つまり、「腸内ポリアミン濃度を高めれば、そのポリアミンの作用で腸管バリア機能が高まり炎症原因物質が体内に侵入する機会が減り、また、血中に移行したポリアミンはリンパ球に作用し炎症反応が抑制され、それらの結果、健康寿命が伸びる」というのが、この研究課題のストーリーです。
この研究課題は、独立行政法人理化学研究所辨野特別研究室・辨野義己先生と国立大学法人京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科・鈴木秀之先生との共同で実施します。

ちょっと難しいなー。素人でもわかるように、もう少し教えて!

ポリアミンが増えれば、寿命が伸びそうだということは、大体わかりましたよね?
では、どうやってポリアミンを作り出すかということが課題になります。
方法は単純で、腸内細菌にポリアミンを作らせるのです。
具体的には、腸内細菌がポリアミンを作りたくなる、あるいは吸収したくなくなる物質を探索し、LKM512と一緒に摂取すればより効果的と考えています。このような物質を見出すことは簡単ではありませんが、便の中に含まれている物質を徹底的に調べることで見つかると考えています。この物質とLKM512を混ぜた新規の腸内ポリアミン濃度調整食品を完成させ、マウスを用いてこれらの効果を確かめるのが今回の課題です。
健康な老後を迎えたい皆様、是非ご期待ください。

<便秘改善>
松本光晴, 今井哲哉, 廣中貴弘, 久米仁司, 渡辺正利, 辨野義己.(2000)
Bifidobacterium lactis LKM512株含有ヨーグルトのヒト糞便菌叢および便性改善に及ぼす影響. 腸内細菌学雑誌 14: 97-102.

<アトピー軽減>
Matsumoto M, Aranami A, Ishige A, Watanabe K, Benno Y. (2007) LKM512 yogurt consumption improves the intestinal environment and induces the Th1-type cytokine in adult patients with intractable atopic dermatitis. Clin. Exp. Allergy 37: 358-370.

<大腸内での変異原性の抑制>
1. Matsumoto M, Ohishi H, Benno Y. (2001) Impact of LKM512 yogurt on improvement of intestinal environment of the elderly. FEMS Immunol. Med. Microbiol. 31: 181-186.

2. Matsumoto M, Benno Y. (2004) Consumption of Bifidobacterium lactis LKM512 yogurt reduces gut mutagenicity by increasing gut polyamine contents in healthy adult subjects. Mutat. Res. 568: 147-153.

<高齢者の炎症改善>
Matsumoto M, Ohishi H, Benno Y. (2001) Impact of LKM512 yogurt on improvement of intestinal environment of the elderly. FEMS Immunol. Med. Microbiol. 31: 181-186.

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